美大に行っても、デザイナーにはなれない話

すべての記事

こんにちは、リクです。

今回は、

「美大に行っても、
デザイナーにはなれない話」

というテーマでお話しようと思います。

こういった方向けの記事です。

  • デザイナーになりたい人
  • 美大進学を考えている人
  • デザイナーを目指して美大在学中の人

※なお、美大には油画や彫刻といったアートの学科もありますが、
本記事では便宜上、デザイン科に限ったうえで「美大」という言葉を用います。

まずはじめに僕自身のことを軽く紹介させてください。

リクと言います。
武蔵野美術大学を卒業後、
デザイナーとして三年間、デザイン事務所に勤めてきました。
現在はフリーランスで、マイペースに生活しています。

美大を出てもデザイナーにはなれない?

自己紹介を見て、しょっぱなから疑問に思った方がいるかもしれません。

「お前は美大でてデザイナーになってんじゃねーかよ」と。。。

記事タイトルを秒で矛盾させてしまったかのようですが、
スミマセン、少し待ってください。

確かに僕はデザイナーとして就職することができました。
有難いことに現在も活動を続けることができています。

ただ、それは「美大を出たから」ではないと思っています。

実際、美大のデザイン科を出た全ての学生が
デザイナーとして就職したかというと、そうではありません。
同じデザイン学科にいた同級生は約100人ほどでしたが、

デザイナーとして就職したのはおそらく半分もいません。

なぜでしょうか。

結論だけ先に言ってしまうと、
美大が、「学生の主体性を尊重しており、進路をデザイナーの道だけに絞っていない
性格があるからだと、僕は考えています。

わかりやすくするためにあえて言葉を悪く言い換えますと、
学生は4年間、割と勉強せず遊べて、大学も放任しているから、
実力が育っておらず就職できない

ともいえます。言葉悪いですね。笑

なぜこんなことが起こるのか?【理由→美大の性格】

もう少し詳しく解説していきます。

そもそもご存知の通り、大学は研究機関であって、教育機関ではありません。
ましてや、就職予備校などでもありません。

つまり大学からすれば、
就職に役立つ実践的なスキルや知識などは別に教える義務はなく、
教授がそれぞれ話したいことを話せばいいわけ
で、学生が自分にとって本当に必要だと思ったことは、それは自分自身で勉強しなさいよね
というスタンスなのです。

これは社会人として働く大人にとっては当たり前のことなのですが、
ついこの間まで、


「知識は学校の先生から座して学ぶものだ」


と無意識レベルで刷り込まれていた高校生たちの中には、
ここに気付くこともないまま大学4年間をすごしてしまう人もいます。

その人たちは結局、卒業間近になっても
ノースキル、経験無し、自主性無しのまま、
社会に放り出されてしまうことになるのです。

教授たちももちろん、プロとして第一線で活躍されている方が多いので、
業界の知識や、実践に近い形での授業を行ってくれたりします。
ただ、そういう授業ばかりではありませんし、そもそも絶対量がたりません。

大学の課題だけでは圧倒的に不十分なのです。

偉そうに語っているように聞こえるかもしれませんが、
何を隠そう僕自身、デザイン事務所に就職した当初の頃は、
まったくスキルが追いつかず専門学校卒の同期に大きく遅れをとりました。

スキル面で現場でスタートダッシュできるのは、
美大卒ではなく専門卒のほうが多いと感じるくらいです。
(もちろん人それぞれです。美大卒でスキルピカイチの人もたくさんいます。)

つまり、デザイナーとして就職し、
クリエイターとして活躍している人たちは、
美大で与えられた課題だけでなく、
自主的に+αの勉強をしてきた人たちなのです。

美大に入ったかどうかではない。その先が大事!

僕も入社当時はスキルの低い人間でしたが、
それでも学生のころに活動はしていました。

「JAGDA学生グランプリ」で入選したり、
デザイン事務所でアルバイトしたり、
実際に発売される商品のパッケージデザインをしたり、、、など。

美大に入って教授からの課題をこなしているだけでは、
正直、あまり成長しない気がします。


武蔵野美術大学も多摩美術大学も入試は難関ではありますが、
そこを勝ち抜いたからと言って慢心してしまうようでは、
4年後、入学時とあまり変わらない自分がそこにいることになります。

デザイナーとして就職するつもりであれば、
大学の課題だけではなく、
自主的な勉強(できれば実践を)した方がいいかなと思います。

デザイナーに限った話ではありませんが、
プロになったあとも仕事と平行して常に勉強する必要はあるので、
そこに今から慣れておくという意味でも、
学生のころから行動をしておくことは良いことだと思います。

もちろん、たくさん遊んで旅をして、
大学生のうちにしかできないことを楽しむこともマジで大事です。
現時点で美大を目指して勉強している方は、
合格後もその情熱を絶やすことのないように、
日々頑張ってください。

補足:美大を出て就職できる?できない?

さて、まとめに入る前に一つだけ補足です。
冒頭あたりで、

同じデザイン学科にいた同級生は約100人ほどでしたが、
デザイナーとして就職したのはおそらく半分もいません。

と書きました。誤解があってはいけないので、
ここに関して補足しますと、

デザイン科の同級生100人が全員、デザイナーを志望して、
その結果、半分以上が就職できなかった。
というわけではありません。

はじめに結論として述べたように
美大が、
「学生の主体性を尊重しており、進路をデザイナーの道だけに絞っていない」

わけなので、総合職や一般事務職、印刷会社、作家、雑貨店員、工務店など、
そのほかの道を在学中に志し、実現していった人たちもいます。

学校の美術教師や、スタジオカメラマンになる夢を叶えた友人もいます。

ですので、美大にはいったら就職できない!
という話ではないですよ、という補足です。

もちろん、就活もせず卒業してそのままニートになった人も中にはいますよ。

何が言いたいかというと、
美大とか専門とか関係なく、

結局は4年間をどう過ごしたか、その人次第だということですね。

まとめ

・「美大に入った=デザイナーになれる」ではない
・学校の課題だけでなく、自主的に活動し、勉強しよう
・「美大に入った=デザイナーになる以外に道はない」ではない

今回は以上です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました